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      2016/01/11

受動喫煙

なぜ受動喫煙が問題なのか

1.受動喫煙は先進国における最大の環境汚染問題のひとつである.
2.タバコ煙の有害成分のほとんどは無味無臭なので,気づかずに受動喫煙被害を受けていることが多い.
3.受動喫煙に関する疫学調査の大半はリスクを低めに見積もるバイアスがかかっている.
4.「きれいな空気を吸う権利」は「タバコを吸う権利」に優越する非喫煙者の生存権の問題である.

受動喫煙の有害性は国際的常識

タバコを吸わない人が,タバコの煙の混じった空気を吸わされることを受動喫煙という.2005年世界保健機関タバコ規制国際枠組条約(FCTC)は「第8条 タバコの煙にさらされることからの保護」において,「締約国は,タバコの煙にさらされることが死亡,疾病及び障害を引き起こすことが科学的証拠により明白に証明されていることを認識する」として,「締約国は,屋内の職場,公共の輸送機関,屋内の公共の場所及び適当な場合には他の公共の場所におけるタバコの煙にさらされることからの保護を定める効果的な立法上,執行上,行政上又は他の措置を国内法によって決定された既存の国の権限の範囲内で採択し及び実施し、並びに権限のある他の当局による当該措置の採択及び実施を積極的に促進する」義務を負うと述べている.
もしタバコが煙の出ない形で使われるだけなら,社会の関心はそれほど高まらなかっただろう.「smoking」という使用形態は,タバコ問題を非喫煙者をも巻き込む一大事にしてしまった.なぜなら,受動喫煙が社会的に許容されるリスクを何桁も上回る生命危険をもたらすことがわかってしまったからである.

・生涯死亡リスク
社会的に許容されるリスクとはどれくらいか? 例えば放射線技師ならば,40年勤務を続けた場合の放射線被曝による職業関連死亡を1万人に1人以下に押さえるように放射線防護基準が決められている.空気や飲み水については,それらに含まれるある有害物質に10万人が一生曝露されても1人以上犠牲者が出ない,つまり10万人あたりの生涯リスクを1以下にするのが環境基準の常識である.
後段で述べるように,日常生活の受動喫煙による非喫煙者10万人あたりの生涯死亡リスクは約1万である.換言すれば,喫煙自由の家庭やオフィスの空気は環境基準を1万倍上回る汚染状態である.

・被害の過少評価
タバコの煙に含まれる有害物質のほとんどは無臭である.タパコのにおいがないから受動喫煙を受けていないと思うのは間違いである.まったく受動喫煙がないと答えた人のほとんどからコチニンが検出されるからである.
タバコを吸う人と一緒に暮らしているかどうか,あるいは職場が禁煙かどうかを目印にして受動喫煙のありなしを決め,病気との関係を調ぺるのが通常の研究法である.しかし,家庭でも職場でも受動喫煙にさらされていないと答えた人でも,相当の受動喫煙を受けていることが多い.結局,受動喫煙と病気の関係を調べた研究のほとんどは,実は「たくさん受動喫煙を受けている人」と「少し受動喫煙を受けている人」の病気のなり方を比べているに過ぎない.したがって自己申告に基づいた受動喫煙の調査は,受動喫煙の害を相当少なく見積もっていることになる.

受動喫煙防止は生存権の問題
受動喫煙の害の話をすると,排気ガスで自殺できるがタバコの煙では自殺できないから車の排気ガスのほうが有害だと主張する人がいる.また受動喫煙がダメなら香水だって迷惑だから禁止せよという人もいる.
排気ガスと受動喫煙の害の大きさを比べるとき,自殺に使えるかどうかという「特殊な」状況を問題にするのは不適切である.日常生活で出会うレベルの曝露度でどれほど害が違うかを検討するのが常識である.
タバコの煙の害と香水のにおいの害は,問題の質的レベルが違う.香水は「迷惑」や好き嫌いという嗜好の自由の問題だが,受動喫煙は非喫煙者の最も根源的な権利=生存権にかかわる問題である.「喫煙権」は「受動喫煙させられない権利」のはるか下位の権利である.タバコの煙の悪臭・刺激臭が非喫煙者の直接の嫌悪の対象となって,受動喫煙をなくせという声が高まっている面もあるが,受動喫煙問題の本質は,日常生活レベルの受動喫煙により非喫煙者の命と健康が大きくおびやかされることにある.しかも,他の環境汚染問題では厳しい規制が行われているのに,はるかに大きな犠牲者をもたらしている受動喫煙にはほとんど規制が行われていないという,環境行政上のダブルスタンダードがまかリ通っている.

・米国公衆衛生局総監報告
受動喫煙で起きる病気について,最近米国公衆衛生局総監がしっかりした報告書を出した.それによれば受動喫煙関連疾患であるという科学的証拠がしっかりある(本稿では「確実」と表現),可能性が大きいが証拠が不十分(「可能性大」),証拠が少なく関連のありなしを断定でさない,関連なしの可能性大の4段階に病気を分類している.次に,概ねこの報告に沿って受動喫煙の問題を述べる.

胎児・こどもの受動喫煙病

1.受動喫煙がなくなれば,急性呼吸器疾患のこどもは激減する.
2.妊娠中の喫煙はこどもの行動障害・知能障害のリスクを高める.
3.妊娠初期の喫煙により胎児の「節約遺伝子」が作動し,成人後の肥満リスクを高める可能性がある.

・こどもがよく罹る病気はすべて受動喫煙と関係がある
妊娠中も喫煙をやめない妊婦の比率は,15〜19歳34%,20〜24歳19%,25〜29歳10%である(乳幼児身体発育調査報告書.2000年厚生労働省).父親の48%と母親の11%が喫煙者だから,日本の1,800万人のこどもの半分以上=900万人は家庭でタバコの煙にさらされている.わが国の公共施設・交通機関・飲食店・娯楽施設の受動喫煙対策の不十分さを考えると,日本のこどものほとんどが受動喫煙にさらされているといえる.確実あるいは可能性大のこどもの受動喫煙病を表I?3?1に示した.乳幼児突然死症候群,低出生体重,多くの呼吸器疾患が妊娠中あるいは出産後の受動喫煙で確実に増え,白血病・小児癌が増える可能性がある.乳幼児突然死の何割かは,妊娠中および出生後の受動喫煙が原因であリ,しっかり受動喫煙対策を指導した国では,乳幼児突然死が大幅に減っている.
日本のこどもの外来受診疾患統計(2002年10月小児外来受診数.厚生労働省)によれば,ゼロ歳児の1位(急性咽頭炎・扁桃炎),3位(急性気管支炎),4位(その他の急性上気道感染症)と14歳まで児の1位から5位(気管支喘息・う歯・・急性咽頭炎扁桃炎・急性気管支炎・その他の急性上気道感染症)を受動喫煙関連疾患が占めている.

↓こどもの受動喫煙病(確実・可能性大のものをピックアップしてみました)

病気・障害 エビデンスの強さ 受動喫煙時期・発生源など
乳幼児突然死症候群 確 実 出生前・出生後
早産 可能性大 母体の受動喫煙
低出生体重 確 実 母体の受動喫煙
小児癌 可能性大 出生前・出生後
小児白血病 可能性大 出生前・出生後
小児悪性リンパ腫 可能性大 出生前・出生後
小児脳腫瘍 可能性大 出生前・出生後
気管支炎・肺炎 確 実 母親喫煙の影響大
中耳炎(急性・再発性・溶出性) 確 実 親の喫煙
学齢期小児の咳・痰・喘鳴・呼吸困難 確 実 親の喫煙
学齢期小児の気管支喘息 確 実 親の喫煙
幼児期の喘息様気管支炎 確 実 親の喫煙
小児期の肺機能低下 確 実 妊娠中母親喫煙・出生後の受動喫煙

もし両親や家族の喫煙がゼロになれば,医療機関を受診するこどもの総数が大幅に減るだろう.(゛親の喫煙でこどものう歯が倍増するという複数の調査成績あリ)
 次に受動喫煙病と疑われ研究が進行中の病気・状態について解説する.まだ最終的結論が出ていない分野だが,妊娠中や乳幼児期の受動喫煙がこどもの健全な発育に与える影響は取り返しがつかないので,あえて触れることとする.

・妊娠中の喫煙による攻撃的問題行動
 「切れやすい」「よくトラブルを起こす」などの攻撃的問題行動(ADHD)がこどもに増えている.オーストラリアで5歳児の攻撃的問題行動の要因に関する母子5,342組のコホート調査によれぱ,攻撃的問題行動のリスクは,妊娠初期の1日喫煙本数とともに増え,20本/日以上の喫煙で2.6倍(有意)となった.ニコチンが直接胎児の遺伝子の発現を修飾し胎児脳のニコチン受容体機能を改変していると考えられている.
デンマークでのADHD児170人と対照児3,765人について症例対照研究によれば,妊娠中の母親喫煙はこどものADHDリスクを有意に2、2倍増加させていた.ちなみに日本では学齢期児童の20人に1人がADHDとみられるから,妊娠中タバコを吸っていた母親から生まれたこどもでは10人に1人がADHDとなる可能性がある.

・出生後の受動喫煙による知能低下は軽症の鉛中毒に匹敵
家庭の受動喫煙とこどもの知的能力の関係を調べるため,6歳から16歳の米国小児5,365人について読解力,計算力,積み木ならべ能力と血中コチニン濃度との関連を検討した研究によると,知的能力はコチニン濃度増加に伴い有意に低下していた.受動喫煙高度群で10ポイントと軽症の慢性鉛中毒と同じ程度の知能低下がみられた.

・妊娠初期の喫煙が将来の成人肥満の原因となる可能性
 イギリスで1958年に生まれた約6,000人の男女を33歳まで追跡した調査によれば,妊娠初期に喫煙をしていた母親から生まれた子がBM130以上の肥満となるリスクは,妊娠中喫煙なしの母親から生まれた子に比べ,男性で1.56倍,女性で1.41倍と有意に高くなっていた.出生後の体重に影響するいろいろな因子を調整しても,妊娠初期に母親喫煙のあるグループは母親喫煙なしグループよりも50%も肥満者が多かった.
なゼ妊娠初期の受動喫煙が30年後の肥満の原因となるのか? 戦争中飢餓にさらされた妊婦から生まれたこどもの追跡調査から明らかになった仮説をもとに次のように考えられている:母親喫煙→胎盤血流減少・酸素不足→胎児の「節約遺伝子」スイッチオン→インスリン抵抗性増加→肥満促進.妊娠がわかったときには,すでに初期を過ぎているから,節約遺伝子にスイッチが入っており,禁煙しても取り返しがつかない.

大人の受動喫煙による害

1.非喫煙者はわずかの受動喫煙でも体調が不良となり通院や病休が増える.失職の危険も増す.
2.受動喫煙者は軽喫煙者と同じ心筋梗塞死の危険を負わされる.
3.受動喫煙のある非喫煙者の10〜20%は受動喫煙死する可能性がある.
4.受動喫煙による死亡者数はアスベスト・ダイオキシン・ディーゼル排ガスなど他の環境汚染による死亡者を何桁も上回っている.
5.完全禁煙だけが受動喫煙被害をなくする唯一現実的な方策である.
6.屋外でタバコの煙は半径7〜21mの範囲に広がる.屋外で非喫煙者を守るには,このタバコ煙到遠距離を考慮すべきである.

・受動喫煙は非喫煙者の生活の質を悪化
おとなの受動喫煙病には急性と慢性がある.急性の受動喫煙病の代表は呼吸器の病気である.タバコを吸わない人々の大半は,家や職場で受動喫煙に遭うと,悪臭・目・のど・鼻の急性刺激症状で気分が悪くなる.ほんの少しの受動喫煙でも,めまいや失神などの重い症状が出て倒れてしまう人もいる.また,長い間タバコの煙の中にいると,咳・痰・喘息で苦しむ人が2〜3倍に増え,体調が悪くなリ通院や病休が増える.このために仕事をやめなければならなくなる人も少なくない.

おとなの受動喫煙病(確実・可能性大)
・肺癌
・乳癌
・副鼻腔癌
・虚血性心疾患罹患者死亡
・脳卒中
・動脈硬化
・悪臭ストレス・鼻・目・のどへの刺激
・アレルギー性鼻炎悪化
・気管支喘息新規発症
・気管支喘息悪化
・気管支喘息患者の呼吸機能悪化
・健常人の急性呼吸器症状
・健常人の慢性呼吸器症状
・健常人の呼吸機能悪化
・慢性閉塞性肺疾患発症

・日常生活の受動喫煙は毎日10本の喫煙者と同じ心臓病リスク
慢性の受動喫煙病には,命取りになる病気が多<含まれている.受動喫煙と肺癌の関係はよく知られているが,命にかかわる受動喫煙病で一番多いのは実は心臓病(心筋梗塞)で・ある.非喫煙者が喫煙室に入って30分たつと,血圧が上がり,心臓の筋肉に血を送る冠状動脈が狭くなリ,血液も固まりやすくなって,心筋梗塞を起こしやすい危険状態となる.意外なことにこの血液の固まりやすさや冠状動脈の狭まり方は,普段毎日20本タバコを吸っている人と同じである.非喫煙者がわずかのタバコの煙の毒にも,とても傷つきやすいことは多くの実験研究で繰り返し明らかにされている.世界各国で何万人も追跡調査をした結果,喫煙者と暮らす非喫煙者が心筋梗塞で死ぬ危険度は,ちょうど毎日10本くらいタバコを吸う人と同じだった.家庭で受動喫煙のある非喫煙者は2倍脳卒中になりやすいという報告もある.受動喫煙で血液が固まりやすくなり,動脈が硬く狭くなるのだから脳の血管が詰まる病気も例外ではない.
肺癌や心筋梗塞,脳卒中のような発生数の多い病気のリスクが受動喫煙で何割か増えただけでも,とても大きなインパクトが社会にもたらされる.受動喫煙で死ぬ非喫煙者は毎年米国で4万人,日本で1万人と推計されている.

 一般家庭よりも長い時間,濃いタバコの煙にさらされるタクシー,レストラン・飲食店・娯楽施設の従業員は,一般市民の何倍も大きな肺癌,心筋梗塞や脳卒中で死ぬ危険を背負わされ文字通り命を削って働いている.

・受動喫煙者の1〜2割は受動喫煙で死ぬ
  先進国の三大死因である癌,心臓病,脳卒中は代表的な受動喫煙病でもある.三大死因すぺてに受動喫煙が関係するなら,受動喫煙を受けている人はそうでない人よりも相当死にやすいと予想される.それを確かめるために,ニュージーランドと香港で調査が行われた.タバコを吸わない人を選び出し,家庭で受動喫煙のある人とない人の死亡率を比ぺると,家庭で受動喫煙のある人の年間死亡率がニュージーランドで14%,香港で30%高いという結果が出た.収入・持病・学歴・食事内容など死亡率に影響する多くの要因をそろえて計算しても,結果は変わらなかった.日本家庭の受動喫煙死亡率はおそらくニュージーランドと香港の間だろう.

・他の日常生活上のリスクとの比較
 他人の行為のために14%余計に早死にしやすくなるということは重大事件である.
先進国では,ある集団を一生涯追跡しても,特定の環境汚染物質による犠牲者が10万人あたり1人以上出ないように押さえなけれぱならないというルール(環境基準)がある(環境省平成14年版環境白書).一生追跡して10万人あたリ1万4千人死ぬリスクは,環境基準の1万4千倍のリスクと表現される.
「リビングルームの受動喫煙」が,ニュージーランドでは14%の非喫煙者を殺している。

・環境汚染としてあたりまえの対策をすべき
 それでは,どれだけ受動喫煙対策をやればよいのか? 環境汚染対策の常識に沿った対策を実行するだけで十分である.一生さらされても10万人に1人以上犠牲者を出さないという環境基準に見合った規制をするだけでよい.
家庭における受動喫煙の生涯死亡リスクが10万分の1万以上であることを示した.ということは,喫煙者のいるリビングルームや禁煙でないオフィスのタバコ煙濃度を1万分の1に減らせば環境基準は達成できる.ただしこの基準を実現するには,アスベスト除去工事マニュアルに匹敵する基準に沿った、多剤耐性結核菌感染者病室と同じ「絶対に」煙が漏れない喫煙室を遣らなければならない.

・包括的受動喫煙防止法
 幸いなことに,徹底的な受動喫煙対策にはほとんど費用がかからない.オフィス・遊戯施設・飲食店など公衆の集まる施設を例外なく全面禁煙とし,アスベストやダイオキシン対策法と同等の法的強制力を持つ「受動喫煙防止法」を制定するだけでよい.「分煙」のためと称して一部屋何百万円もかかる喫煙室を何十万室も造る必要はない.

・「分煙」では,こどもを受動喫煙から守れない
  こどもたちを受動喫煙から守るためには正しい対策が必要である.家庭の喫煙状態を完全禁煙(家族が禁煙する・外で吸う),分煙(別の部屋で吸う・吸った後換気する・
空気清浄機を置くなど),自由喫煙(禁煙や分煙を一切しない)に分け,乳幼児の尿中コチニンレベルとの関連を検討したところ,「完全禁煙」家庭では,尿中コチニンが
「分煙」「自由喫煙」に比べて劇的に低下していた.しかし「分煙」と「自由喫煙」家庭の乳幼児の尿中コチニンレベルには差がなく,主観的「分煙」は言葉だけでまったく効果はなかった.これはタバコの煙が予想を超えて拡散し室内に残留するためである.
「換気をよくする」「別室で吸う」というアドバイスは間違いである.こどものいる家庭は完全禁煙としなければならない.さらに,タバコを吸った直後の喫煙者の呼気からの排出や衣服に付着したタバコ煙有害成分の遊離によっても無視でさないタバコ煙曝露が
生ずるのであリ,親としてあるいは仕事としてこどもと接するおとなは,喫煙者であり
続けるべきかどうかを自らに厳しく問う必要があろう.

・屋外でもきれいな空気を吸う権利が保障されなければならない
  最近多くの自治体で路上喫煙禁止の条例が制定されるようになった.しかし,「屋外のタバコの煙はすぐに拡散して薄まるから歩行喫煙を禁止するかわりに歩道の各所に喫煙場所を造るという誤った対策を実行する動きが散見される.屋外喫煙規制については,これまで科学的根拠なく進められてきたが,今,エビデンスに基づく施策が求められている.
 厚生労働省は「屋内における有効な分煙の条件」として「喫煙場所から非喫煙場所に環境たばこ煙成分(粒子状物質及びガス状物質)が漏れ出ないこと」(平成14年新しい分煙効果判定の基準)をあげている.屋内であろうと屋外であろうと,受動喫煙の影響を受けるのは,同じ非喫煙者なのだから,屋外での喫煙にも同等の効果を持つ規制を行う必要がある.

風のないとき,タバコ煙の粉塵と発癌物質はどこまで届くか
    屋外でタバコを吸った場合,健康に有吉な粉塵と発癌物質がどのように広がるかを詳しく検討した実験研究を紹介する.

屋外喫煙時タバコ煙由来粉塵濃度・発がん物質濃度

屋外喫煙時タバコ煙由来粉塵濃度・発がん物質濃度

 タバコ煙の粉塵濃度(RSP)が1μ9/m帽こなると,タバコ煙臭がわかるようになり,4μg/m3になると,急性健康障害(目・鼻・のどの刺激症状,頭痛,めまい,はきけ)が発生する.実験の結果,屋外の喫煙者(1人)の半径4m以内は,急性の健康被害が起きるタバコ煙濃度となっていた,タバコ煙のにおいと発癌物質は半径7mまで届いていた.これはあくまでも喫煙者がひとりでかつ無風状態での測定結果であり,風があったり喫煙者が複数なら,もっと離れていても健康被害が起きる.したがって屋外での受動喫煙被害をなくするには,無風状態でひとりの喫煙者なら最低直径14 m, 風のある現実の状況ではその2〜3倍の直径の円形非喫煙者立ち入り禁止区域が必要である.縦24m幅8mのテニスコートなら2面以上の面積が必要となる.

・屋外喫煙所:コストと排煙処理の問題
  喫煙区域を設定する土地の余裕がない場合,壁と天井で囲われた屋外喫煙所を造る選択もあるが,出入りのときに煙が漏れないよう「前室」を造り,室内に吐き出されたタバコの煙を無害化して排出する設備も必要である.また頻繁なフィルター交換など多額のメンテナンス費用もかかる.設置費用もランニングコストも膨大となるから喫煙所を誰の負担で造るかも問題になる.
 以上より,健康面から考えても,財政面から考えても,屋外に喫煙施設を造る行政判断は,賢明とはいえない.

受動喫煙を防ぐには?

1.敷地内禁煙か最も効果が高く,費用も安い.
2.建物内禁煙は屋外での受動喫煙に配慮する.
3.分煙では受動喫煙を完全には防げない.

・禁煙支援を同時に実施すること
  喫煙はニコチン依存症という疾患である以上,その疾患が治らない限り,敷地内禁煙となれば喫煙者は離脱症状に苦しみながら喫煙をがまんするか,あるいは敷地外に喫煙しに行くか,あるいは,敷地内で隠れて喫煙することとなる.これらの現象は場合によっては喫煙所を設置するという受動喫煙対策が後退する方向に働くこともある.予測され得るこのような事態に備えて,敷地内禁煙の実施が決定されたなら,その実施前から喫煙者への禁煙支援を導入し,フォローするべきである.産業医や学校医,近隣医療機関との連携が必要である.

・就業者・利用者対策をすること
 敷地内禁煙の場所に長時間いることになる人,すなわち,事業所なら従業員,病院なら医療従事者や入院患者,学校なら教職員や学生に,就職や入学時にここでは喫煙できないことを明示することは必須である.就職や入学の条件に「非喫煙者であること」を入れて,喫煙した場合には罰金や退学などの処分をしている企業や学校もある.

・意義
  特に学校や医療機関,官公庁の敷地内禁煙には次のような意義がある.

児童生徒学生・教師・職員・患者・住民の受動喫煙防止
  健康増進法施行前には生徒の5割,非喫煙教師の8割が学校で受動喫煙被害に遣って
 いたという調査報告もある.喫煙直後の教師の呼気に苦しんでいる児童もいる.これら
 を防止するには敷地内禁煙が最もよい.
 児童生徒学生・教師・職員・患者・住民の禁煙のきっかけ
  自分からは禁煙しないが,職場が禁煙になったら自分も禁煙するという喫煙者は多い.
 敷地内禁煙になれば確実に喫煙率は下がり,職員の福利厚生上も最もよい疾病予防にな
 る.
児童生徒学生・教師・職員・患者・住民の禁煙継続
  敷地内禁煙では禁煙のモチベーションが保ちやすく,最適の環境である.
児童生徒学生の喫煙開始を防止
  成人の喫煙姿を見せないことが,こどもの喫煙を抑止する要因となっている.
社会的に範を示す
  教育の場である学校や疾病予防を担うべき医療機関,法を執行する官公庁は,いずれ
 も率先して最善の受動喫煙対策を示すべき立場にある.
費用かかからない
  敷地内禁煙以外はすべて喫煙場所を設置することになり,特に喫煙設備に公金を使う
 ことになる公的施設は,地方自治法第2条の「最小の経費で最大の効果を挙げる」ため
 に敷地内禁煙とすぺきだろう.
地域社会への啓発効果
  地域住民が出入するこのような場所において,敷地内禁煙というしっかりした受動喫煙対策がなされれば,地元住民に対しても受動喫煙の怖さとその対策についての十分な啓発効果が期待できるだろう.

建物内禁煙

  受動喫煙を防ぐうえでは,敷地内禁煙に次いで有効な方法である.屋外に喫煙小屋を設置するか,あるいは,囲いを設けたりひさしの下に喫煙所を設置することになるが,その場合も屋外における受動喫煙対策をとるようにしなければならない.
公的建物は最低限,建物内禁煙とすぺきであり,範を示すべき点からはさらに進んで敷地内禁煙とすべきである.厚生労働省は建物内全面禁煙となった.

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