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喫煙の心理学〜なぜタバコを吸うのか

      2016/01/11

なぜ禁煙できないか?

1.ニコチン依存症は身体的依存と心理的依存がある
2.依存症におけるイネーブラーの概念も重要である

 タバコ問題を考えるうえで,喫煙という行動の本体であるニコチン依存症という疾患への理解は非常に重要である.やめようと思うのに,なぜやめられないのか,命取りであるのがわかっていながら,なぜやめようとしないのか,どうしたら,喫煙者に禁煙を決意してもらえるのかなどの問題を解き明かす鍵が,「ニコチン依存症」という疾患の仕組みである.ニコチン依存症の程度は,その人の持って生まれた体質,おかれている環境などに大さく左右され,離脱症状や禁煙の経過は十人十色である.しかし,ニコチン依存症という疾患の枠組みで見直すことにより理解が深まり,問題解決の糸口が見いだせるだろう.

ニコチンの身体的依存

 ニコチンは,脳血液関門を通過し,脳に作用する薬物である.腹側被蓋〜側坐核より前頭葉の快中枢に投射するドパミン系の報酬回路を刺激して,快感を起こさせる作用がある.またニコチンの欠乏により起こる不快な症状はニコチンの摂取によりたちどころに消失する.このように,ニコチンの摂取は,欠乏症状による不快刺激からの回避という受動的な強化因子によってもさらに強化される.これらの作用が,二コチンという薬物摂取への正の強化因子となる.
 生物が環境や社会に適応的な行動を取ったときに刺激され,再び好ましい行動を選択するための情報を提供するのが,生物として備わった脳の報酬回路の本来の役割であろう.生体の適応的な行動に伴って脳に起こった「快い」という報酬が,次にまた「快い」と思える適応的な行動を選択するために,あるいは,快い状態を維持するための行動決定に対して大事なフィードバックを提供している.
 しかし,そこに薬物が介在するとこの仕組みが狂ってくる.その人の行動が,生物としてより適応的かどうか,あるいは,社会的に好ましいかどうかということにかかわらず,薬物の働きで,勝手にこの回路が働いてしまうからである.喫煙行動は,喫煙者本人にとって命取りであるのはもちろんのこと,他者に対しても,命を脅かすほどの悪影響を与える危険行為である.人前でタバコを吸うと,他人からいやな顔や咳払いをされるなどの不快な刺激を受けることがある.本来ならば,これは喫煙者が喫煙行動を中止するフィードバックとなるはずである.しかし一方で,喫煙者の脳の中では,ニコチンという薬物の作用によって,社会や環境からの負の強化因子を超えるほどリアルな正の強化因子としての快刺激が起きている.そのために,喫煙者は,人ににらまれても,注意されても,「即座にタバコの火を消す」という適切な行動は取れなくなる.喫煙者の選択肢の中では,外界から受ける状況判断のためのフィードバックよりも,快中枢を刺激する薬物の作用によるフィードバックの方が強いため,その薬物を摂取することが最優先されてしまうのである.

禁煙の離脱症状

禁煙の離脱症状

 ニコチンは,このように,脳の快中枢に確実に作用する薬物のひとってある.また長年の喫煙によリニコチン受容体は数と感受性の増加を示し,また年齢が若いほど,増加の程度が激しいことが動物モデルでも確かめられている.喫煙者の脳には,喫煙によって,開始年齢が若ければ若いほど顕著に,構造的な変化が現れる.そして,薬物の充足による快刺激と,不足による不快刺激に惑わされて,現実世界での状況判断ができず,行為障害とも位置づけられる自傷他害行為を続けることになるのである.
 喫煙という方法でニコチンを摂取すると,ニコチンは肺から直接左心系に入り,静脈注射によって摂取するより早く脳に達する.薬物の効果を期待して,その薬物が脳に効くまでの時間が短いほど,依存が形成されやすい.また少量の薬物を断続的に摂取することはよリ依存を形成しやすい摂取法であることも,タバコ会社のインサイダーの一人,ビクター・デノーブル氏の研究で明らかになった.したがって,喫煙は,生体にニコチン依存を形成するのにもっとも有効なニコチンの注射器なのである.
 若者にとって,喫煙は必ずしも,最初から快いものではない.ある種の訓練を要することもある.「タバコは二十歳になってから」というメッセージを聞かされている未成年者にとって,喫煙開始,および喫煙による不快感の克服は大人へのイニシエーションとなる.若いうちに喫煙によって,ニコチンのとりこにすることができれば,一生の顧客を確保できる.タバコ会社幹部の発言として,デイプ・ゲーリッツさんがBBCTVの“Tobacco Wars” の中で引用されたとおリ,「タバコを吸う権利なんざあ,ガキと貧乏人と黒人とバカにくれてやれ,肺癌で死ぬ喫煙者の欠員補充だ.中学生あたりをねらえ」と言って15歳ぐらいをターゲットにマーケティングを展開している.これはまさに,ニコチン依存症発症のメカニズムを知り尽くした販売戦略なのである.

タバコの離脱症状

タバコの離脱症状

ニコチンの心理的依存

「否認」「合理化」などの適応規制の影響
 喫煙者は,健康への悪影響についての情報,他者からの陰性感情など,本来なら,喫煙に対して負の強化因子として働<刺激,すなわち,現実を正しく認識するためのフィードパックを受けている.一方で,ニコチンという薬物の魔力による快中枢への刺激,および離脱症状の緩和のように,喫煙に対して正の強化因子として働く幻の刺激をより鮮明に受けている.この両者の間で,矛盾が起き,日々その葛藤によるストレスも受けている.このストレス状況に対して喫煙者は,当然不快感を持っている.そして,喫煙者特有のゆがんだ認識を持つことで,それをうまく調整しようとする.そんな心の働さが,
 「否認」「合理化」などの適応規制である.タバコの悪影響を心配しながらも,「タバコを吸っていても長生きする人はいるし,タバコを吸わなくても癌になる人もいる」などとタバコの害を「否認」する.また,「タバコは体には悪いが,タバコをやめるとストレスがたまって,かえって健康を害する」などと,タバコを吸うことを「合理化」する理屈を考えようと試みる.「タバコは命取リであリ,精神毒性も強い」という事実をゆがめてとらえることで,薬物の作用による誤ったフィードバックによって起こる自己矛盾を解決しようとするのである.タバコの健康被害や他者への危害という事実を否定してまでタバコを吸う理由のひとつは,喫煙者にとっては,将来の病気や他人の苦しみよりも,ニコチンによる快中枢への刺激や離脱症状のつらさのほうがよリリアリティーに富んだ刺激であることにも起因する.喫煙者にタバコの害をいくら説いても無駄といわれるのは,こういう心の作用があるからである.
  しかし,実際は,喫煙によって起こる健康被害や,社会的損失の事実を,喫煙者の頭の中で起こる薬物による幻のフィードバックを打ち砕くようなリアリティーを持って伝えることができれば,喫煙を続けるための幻は消える可能性がある.また,喫煙者の否認や合理化などの心理を指摘することで,気づきを促すことも可能である.禁煙に無関心な喫煙者に禁煙を促す「5つのR」は,まさに喫煙者の病理を考慮に入れた禁煙導入への戦略である.

癖としての側面
  喫煙によるニコチンの血中濃度は,40分から1時間で,半減するといわれている.
したがって,「切れる」のが早い.これが,仕事中などタバコを吸っては困る場面でも吸わずにはいられない理由のひとつである.喫煙行動は日常生活の中のあらゆる場面で,生活に密着して,その人を支配する.朝起きたときのニコチン補給の喫煙に始まり,食後,人と話すとき,考えに詰まったとき,手持ち無沙汰のときなど,様々な場面で喫煙が生活に入り込んでいる.そのため,単純にニコチン依存だけではなく,習慣としての側面も否めない.ニコチン代替療法やニコチンワクチンなどにより,ニコチンの離脱症状は緩和できても,やはり,生活の中でタバコを吸わないことに慣れてゆくための努力と時間が必要なのはそのためである.

環境因子

 依存症におけるイネーブラーの概念も,喫煙行動を知るうえで重要である.アルコール依存症の家族は,酒をやめて欲しいといいながらも,酒を買い与えていたり,アルコールによる不始末の尻拭いをしたりすることで,依存症であり続けることを可能にしていることが指摘されるが,アルコール依存症におけるこういう家族のように「可能にする人」=「イネープラー」がいるから,なかなか抜けられないという側面もある.タバコの場合,日本のような喫煙容認国家では,タバコを吸うための莫大なコストを社会全体が肩代わりしている.安すぎるタバコを売り,喫煙場所を用意し,ニコチン依存症を治さずしてタバコ関連疾患が保険診療で治療される.タバコによって起きた不始末のコストを自分で払うしくみではなく社会が払うしくみになっている.このことも,喫煙行動を継続させる大きな要因となっている.タバコ対策を包括的に進め,タバコ規制を強めてゆくことが,タパコによる犠牲者をなくすために重要である.
 ニコチン依存症は,薬物に対する生体としての反応の側面と,人間ならではの複雑な心理的な側面と両者を併せ持ち,タバコに対する社会環境という要因にも大きく作用される疾患である.薬物への反応だけを過信するのも,認識の部分だけを強調するのも,誤りである.疾患の全体像を捉えて,包括的な視点から,その人の禁煙の支障となっているのはどういう因子なのか分析し,それぞれの病態に適した個別治療にあたることが重要である.個別治療に並んで,環境対策も非常に重要であり,社会全体で,「タバコを使用することは異常なことである」と位置づけ(デ・ノーマライゼーション),タバコ規制を進めてゆくことが重要である.個別の患者の救済制度を整えながら,環境を変えてゆくことで,毎年,世界で500万人,日本で11万4,000人もの犠牲者がいるこの疫病の予防・治療を進める仕組みに変えてゆく必要がある.

禁煙するには

タバコをやめるきっかけ・動機

1.主に自身や家族の健康への障害を感じて禁煙を始める.
2.喫煙者はタバコの害について軽く考えている.
3.医療者が助言を重ねることで禁煙の動機を強固にできる.

 喫煙者は意識して喫煙するか? 何も考えず火をつけ次のタバコを吸う.理由などは考えない.そんな人が禁煙を始めるのは何かきっかけだろうか? 様々な調査で「自身や家族に関わる問題であることを認識する」が一番の動機であった.タバコが有害なのは喫煙者も漠然と知っているが,それだけでは「喫煙習慣の変更(行動変容)」には至らない.喫煙への関心を一段と深めタバコの害を改めて意識する.喫煙にはメリットがなく,デメリットだけであることに気づく.この瞬間が出発点となる.
 他の調査でも同様だが,筆者の調査(現喫煙445名,元喫煙285名,非喫煙357名1990年)で,喫煙指数が高いほどタバコの害を低<見積もり,禁煙の効果を過小に評価した(この現象は近年,加濃式喫煙依存度質問票の利用で,喫煙者の「認知の歪み」として知られるようになった).また全般に肺癌以外の喫煙に関連した疾患への認識不足がめだつ.特に生活習慣病への喫煙の有害性は,5割程度の人しか認識していない.
繰り返し正しい情報を与え,禁煙が困難だという歪んだ思いこみを落ち着いて正して,動機づけに臨むとよい.
 筆者の調査では,元喫煙者の禁煙のきっかけは「自身の健康障害」が約4割,「メディアなどからの禁煙情報」が2割,「家族同僚からの薦め」「医療関係者の助言」が各1割であった.当然いくつかのきっかけが重なれば,よりー層禁煙へ踏み切りやすい.健康障害については,例えば咳が出る,喉が痛いという程度の軽い病態でも,それが喫煙によると意識されれば,禁煙開始のきっかけとなる.タバコの値上げ,職場や地域の禁煙化など周辺環境の変化も,やめようと思う意識を高めていく.さらに医療者の助言が加われば動機はよリ強<なる.継続的な禁煙支援が特に成功に結びつく.
 喫煙者に接する際には「5A・5R」が大切である.喫煙歴を必ず問診し(Ask),その場で助言を開始する(Advise).肺癌以外にも生活習慣病などで喫煙が危険因子となること(Risks)を強調する.高脂血症や高血圧,糖尿病,肺気腫,胃潰瘍などで通院する患者が喫煙者であリ続けていては,接する医療者の助言不足である.禁煙で得られるメリットを正しく伝え(Rewards),喫煙を自身や家族の健康など身近な問題へと関連づけて(Relevance)動機を固める.禁煙する気持ちが確認(Assess)でされば,離脱症状の緩和対策をとリ(Assist),禁煙の障壁(Roadblocks)となる周辺環境を改善する.医療者はこの動機づけの各項を反復し,真摯に助言を重ねる(Repetition)必要がある.
そして再喫煙に至らないように工夫をこらして(Arrange)禁煙成功に導く.

禁煙する意思・意志

1.曖昧な禁煙願望である「意思」から積極的な「意志」をめざす.
2.離脱症状を過剰に恐れず軽い気持ちで前向きに禁煙を始める.
3.喫煙を続けるいいわけを考えず,禁煙しないと損だと思う.
4.禁煙の意志は,少し心の持ち方を工夫すると高められる.

   辞典には「意思」は「何かをしたいと思う考え.そうするつもり」,「意志」は「困難や反対があっても何かをしようという積極的な意向」と記されている.曖昧な禁煙の「意思」は半数の喫煙者がもつ(時事通信社の調査で「いずれ禁煙したい」「本数を減らしたい」は,喫煙者のそれぞれ2〜3割).この「意思」を「意志」に高めるには,他者とくに医療者や家族同僚の助言が果たす役割が大きい.
  禁煙の意欲が曖昧なら,タバコが有害と知っても禁煙には至らない.「意思」では願望にとどまる.しかし意気込みが強すぎてニコチン離脱症状をそぴえる絶壁と思えば重責感にさいなまれ自信も失う.離脱症状の克服は工夫すれば恐れるに足りないことは,禁煙成功者の多くが実感するが,まだ禁煙を迷う喫煙者は大きな障壁と感じる.禁煙を志す者は,過剰に怯えず落ち看いて禁煙しやすい環境を整え,適度のプレッシャーと自分への責任と自信をもつことが必要となる.
  離脱症状克服の具体策は後の章に譲り,ここでは「意志」の固め方を述べる.「やめねばならぬ」と悲壮にならず「吸ったらあかんもったいない」という軽い気持ちで,禁煙の意志を継続的に保つのがよい.起床後の1本を吸わずにすめぱ,まず自分を褒め、吸わない時間を延ばして一歩前進したことに自信を持つ.減煙はかえって1本を深く吸い依存を強めるが,やめようとしたのについ吸った場合は,その喫煙を責めて自信を喪失するのではなく「次の1本を吸わないようにしよう」と前向きに切り替える.禁煙を志す者が少しずつ自信を持てる方向に導けば「意志」は強いものとなる.
 自ら禁煙の意志を固めるには,例えば,次のようなことを心がけるとよい.
(1)なぜ禁煙するかの動機を繰り返し確認する.
(2)周囲に禁煙を宣言し,自分に適度のプレッシャーを課す.
(3)減煙でなく断煙を決意する(減煙は離脱症状に負け自虐的な敗北感を生む).
(4)吸いそうになったら「だからやめられない」「どうせできない」と,言い訳を考えず,「ここで吸ったらもったいない」という気持ちに切り替える.
(5)喫煙でストレスが軽くなると思う錯覚(ニコチン欠乏症状の一時的緩和にすぎない)に
気づき,喫煙でかえってストレスを増している悪循環から自由になることをめさす.
(6)本当にタバコはうまいのか,生まれて初めて喫煙したときの不快感を思いかえす
(現在の喫煙の快感とはニコチン欠乏の補充感に過ぎない).
(7)禁煙で起こる変化で失うのは正にタバコだけであリ,時間や健康,家族の喜びなど,新たに多くの価値あるものが得られることに希望を抱く.

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